台湾旅行の移動手段完全ガイド|公共交通を使いこなそう

当ページのリンクには広告が含まれています。
台湾旅行の移動手段完全ガイド|公共交通を使いこなそう

この記事は約49分で読めます。

初めての台湾旅行、楽しみな気持ちと同じくらい「移動はどうしよう?」という不安が頭をよぎりませんか。

かく言う私も、初めて台湾の地に降り立った十数年前は、同じ気持ちでした。複雑に見える台湾の交通手段、現地の交通事情、そして言葉の壁…。特に、絶対に行きたかった「十分」へ向かう台湾鉄道で、悠遊カードが使えるのかどうか必死に調べた記憶は今でも鮮明です。台北市内観光での移動手段はもちろん、ちょっと足を延ばしてみたい時の台湾レンタサイクルの使い方、いざという時の淡水客運配車(タクシー配車)の方法まで、気になることは尽きないでしょう。台湾の電車、その乗り方一つをとっても、最初は戸惑うことばかりかもしれません。

この記事は、そんな十数年前の自分に教えるつもりで、私の全ての経験と知識を詰め込んだものです。あなたの台湾旅行が、移動のストレスなく、最高の思い出で満たされるためのお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。

記事のポイント

  1. 台湾の複雑な交通網を「時間・予算・体験」の3つの視点でシンプルに整理
  2. 初心者の方がつまずきがちなMRTの乗り方や悠遊カードの使い方を徹底解説
  3. 人気の観光地「九份」へのアクセス方法を、実体験に基づきメリット・デメリット比較
  4. 台北市内から都市間移動まで、具体的なシーン別の最適プランを提案

スポンサーリンク
目次

【台湾旅行】移動手段完全ガイド!初心者も安心の選び方

【台湾旅行】移動手段完全ガイド!初心者も安心の選び方

【旅の設計図】時間・予算・体験で選ぶ移動手段

【旅の設計図】時間・予算・体験で選ぶ移動手段

さて、台湾旅行の計画を立て始め、インターネットで「台湾 移動手段」と検索すると、膨大な情報が目の前に現れます。「MRTが便利」「タクシーが意外と安い」「バスは上級者向け」…。無数の選択肢を前に、特に初めて台湾を旅する方であれば、どれが自分にとっての正解なのか分からなくなり、一種の「思考停止」に陥ってしまうこともあるのではないでしょうか。

もちろん、それらの情報は一つひとつ事実です。しかし、私が十数年にわたる台湾への渡航経験から確信しているのは、「万人にとっての最高の移動手段」など存在しない、ということです。存在するのは、「その時のあなたの旅にとっての最適解」だけなのです。

この「最適解」を見つけ出す作業こそが、旅の計画で最もクリエイティブで、そして楽しい部分だと私は考えています。単なる作業ではありません。これは、あなたの旅という物語を、あなた自身の手で「編集」していくための、最初の重要な一歩なのです。

筆者

言ってしまえば、旅のプランニングとは、限られた資源である「時間」と「お金」を、最高の「体験」にどう変換するか、という知的ゲームのようなもの。そして、そのゲームの鍵を握るのが、まさに移動手段の選択なのです。

あなたの旅の「モビリティ予算」を把握する

まず、具体的な話をしましょう。旅行計画において、移動手段の選択は、実は「予算配分」の問題と密接に結びついています。少し専門的な言い方をしますが、あなたの旅の予算全体から、移動にどれだけのリソースを割けるか、という視点を持つことが極めて重要です。

豆知識:一般的な台湾旅行の予算配分

例えば、観光庁の調査によると、海外旅行における費用の内訳では、交通費が大きな割合を占めることが示されています。これを台湾旅行(例:3泊4日)に当てはめて考えてみましょう。仮に総予算が10万円だった場合、航空券と宿泊費を除いた現地での予算が4万円だとすると、そのうち交通費は15%〜20%(約6,000円〜8,000円)ほどを占めるのが一般的です。(参照:観光庁 インバウンド消費動向調査等のデータを基にした一般的なモデル)
この「6,000円〜8,000円」が、今回の旅であなたが自由に使える「モビリティ(移動)予算」の一つの目安となります。

若い頃の私は、この視点が全くありませんでした。とにかく目先の支出を抑えることしか頭になく、100元のバス代を節約するために、乗り換えも入れて1時間半も余計に時間をかけていました。今思えば、たった数百円のために、旅の最も貴重な資源である「時間」を安売りしていたわけです。これは、私が犯した典型的な失敗でした。

旅の質を決定づける3つの判断軸

このモビリティ予算と、あなたの残り時間をどう使えば、旅の満足度を最大化できるのか。そのために、私は全ての移動手段を、以下の3つの軸で評価することを提案します。これは、私がいつも頭の中で行っている思考プロセスそのものです。

あなたの旅をデザインする3つの軸

旅の計画とは、この3つの要素をどう組み合わせ、どこに重きを置くかを決めることに他なりません。

  1. 時間(Time):二度と戻らない、最も貴重な資源
    旅先での時間は有限です。特に短期滞在なら、1時間はお金には換えがたい価値を持ちます。移動時間を「コスト」と捉え、お金を払ってでも時間を買う(例:新幹線を選ぶ)のか。それとも、移動時間も旅の一部として楽しむのか。あなたの旅の日程が、まず最初の判断基準となるでしょう。
  2. 予算(Budget):旅を支える現実的な燃料
    限られた予算をどう配分するかは、旅の満足度を左右します。移動費を極限まで切り詰め、その分を憧れのレストランでの食事や、友人へのお土産に投資する。これもまた、非常に賢明な戦略です。あなたの「旅で何にお金を使いたいか」という優先順位が、ここで問われます。
  3. 体験(Experience):旅の最終目的であり、最高の対価
    そして、最も重要でありながら、数値化できないのがこの「体験」です。ローカルバスに揺られながら眺める街の景色、地元の人々との何気ないやり取り、あるいはタクシーの運転手さんから聞いた美味しいお店の情報。これらは、お金では買えない価値、いわば「感情的なリターン」です。時には、効率や安さよりも、心に残る体験を優先する勇気が、旅を忘れられないものにしてくれます。

どうでしょう。こうして分解して考えると、移動手段の選択が、単なる「どれに乗るか」という問題ではなく、「どんな旅にしたいか」という、より本質的な問いに繋がっていることがお分かりいただけるかと思います。

さぁ、この3つの軸をコンパスにして、あなただけの最高の旅を、一緒に設計していきましょう。

台湾の主要交通手段5つ!メリット・デメリット

台湾の主要交通手段5つ!メリット・デメリット

さて、前のセクションで旅の判断軸が決まったところで、ここからはその判断軸を使って評価するための具体的な「選択肢(=素材)」を見ていきましょう。台湾の旅を支える、いわば主役級の交通手段は大きく分けて5つ存在します。それぞれの性格は全く異なり、まるで個性豊かな旅の相棒のようです。

初めて台湾を旅する方にとっては、まずこの「選択肢の地図」を頭に入れることが、計画を立てる上での何よりの安心材料になります。それぞれの特徴を、具体的な料金の目安や、私なりの「こんな人におすすめ」という視点も交えながら、一つずつ丁寧に解説していきますね。

MRT(地下鉄):都市観光の揺るぎない大動脈

台北や高雄といった大都市を巡るなら、このMRT(Mass Rapid Transit)があなたの旅の揺るぎない主役となるでしょう。日本の地下鉄と同じ感覚で利用でき、主要な観光地(例えば台北101、中正紀念堂、龍山寺など)は、ほぼ全て駅のすぐ近くにあります。

私がMRTを最も信頼している理由は、その圧倒的な時間の正確さです。交通量が激しい台北市内でも渋滞とは一切無縁。数分間隔で次々と電車が来るため、「次の電車を待つ」という感覚すらほとんどありません。初乗り運賃は20元(約92円)からと非常に安価で、まさに「速い・安い・正確」を体現した、都会の旅の生命線と言える存在です。

こんな方/こんな時に最適!

初めての台湾旅行で、まずは定番の観光地を効率よく巡りたい方。あるいは、旅の計画をきっちり立て、その通りにスムーズに行動したい方には、これ以上ない相棒となります。

市内バス:街の隅々まで届く、探検家のための毛細血管

MRTが都市の骨格を成す「動脈」だとすれば、市内バスはその隅々にまで栄養を運ぶ「毛細血管」です。MRTの駅から少し離れた、ガイドブックには載っていないようなローカルな食堂や、隠れ家的なカフェ。そんな「自分だけの台湾」を見つけに行きたい時、バスは最強の味方になってくれます。

料金は多くの区間で一律15元(約69円)と、文句のつけようがない安さ。私も、旅の予算を少しでも食費に回したい時は、意識的にバスを利用することがあります。ただ、路線網が非常に複雑なため、初心者の方が何も見ずに乗りこなすのは、正直なところ至難の業でしょう。しかし、今や私たちの手にはGoogleマップという強力な武器があります。これさえあれば、バス停の位置から到着時間、乗るべきバスの番号まで一目瞭然。少しの勇気さえあれば、あなたの旅の自由度は飛躍的に高まります。

注意点

バスは交通状況によって到着時間が左右されるため、時間に正確さを求めるシーンには不向きです。また、運転手さんは基本的に中国語しか話せないことが多いので、その点は留意しておきましょう。

タクシー/Uber:時間と快適さを買う、賢者の選択肢

「海外でタクシーなんて贅沢だ」と思っていませんか? 台湾においては、その考えを一度リセットしてみてください。台湾のタクシーは、初乗り料金が1.25kmまで85元(約391円)と、日本の半分以下。驚くほど気軽に利用できる、非常に便利な移動手段なのです。(※深夜23時~翌朝6時までは20元の追加料金がかかります)

特に、3〜4人のグループで移動する場合、短い距離ならMRTの運賃とほとんど変わらなくなることも珍しくありません。例えば、荷物を持ってホテル間を移動する時、あるいは夜市で遊び疲れてクタクタになった帰り道。こんな時に無理をして駅まで歩くより、タクシーでホテルの目の前まで送ってもらう快適さは、料金以上の価値があると私は断言します。これは贅沢ではなく、旅の質を高めるための「賢い投資」なのです。

タクシーは「戦略的」に使う!

「駅から目的地までが微妙に遠い」「大量にお土産を買ってしまった」「突然の雨に降られた」…そんな時にこそ、タクシーの真価が発揮されます。移動のストレスを軽減することで、次の活動への体力と気力を温存できるのです。

台湾新幹線(HSR):都市間を飛び越える、時間の魔術師

「限られた休みで、台北だけでなく台南や高雄にも行ってみたい!」そんなアクティブな旅を計画している方にとって、台湾新幹線(HSR)はまさに救世主です。日本の新幹線技術がベースになっているため、乗り心地や車内の雰囲気は私たち日本人にとって非常に馴染み深く、快適そのもの。

例えば、台北から台中までなら最速で約47分(料金700元)、台北から終点の高雄(左営駅)まででも約1時間半で結びます。在来線なら半日仕事になる距離を、あっという間に飛び越えてしまう感覚は、まさに魔法のよう。あなたの旅の可能性を、物理的に大きく広げてくれる存在です。

筆者

ただし、料金は他の交通機関に比べて高価です。そして、多くの都市で駅が中心街から少し離れているという弱点も。まさに「時は金なり」を体現した乗り物と言えるでしょう。

台湾鉄道(TRA):風景と駅弁を味わう、旅情の代名詞

台湾全土を網の目のように結ぶ在来線、それが台湾鉄道(TRA)です。速さではHSRに敵いませんが、TRAにはTRAにしかない、かけがえのない魅力があります。それは、「移動そのものが、旅の目的になる」ということです。

ゴトゴトと心地よいリズムで走る列車に揺られ、窓の外に広がるのどかな田園風景や、きらめく海岸線を眺める。そして、駅で買った名物の「台鐵便當(駅弁)」を頬張る…。この時間こそが、旅のハイライトだったと感じることも少なくありません。台北から九份の玄関口である瑞芳駅までなら、急行で約40分、料金は76元ほど。HSRが通っていない東海岸へのアクセスや、平渓線のようなローカル線の旅には、欠かせない存在です。

TRAの多様な列車

TRAには、特急にあたる「自強號」から、各駅停車の「區間車」まで様々な種類があります。目的地や時間、予算に合わせて使い分けるのがポイントです。

まとめ:5つの交通手段の特徴一覧

最後に、ここまで紹介した5つの交通手段の性格を一覧表にまとめました。あなたの旅のプランニングに、ぜひ役立ててください。

交通手段主な用途料金目安メリットデメリット
MRT(地下鉄)都市内の主要観光地巡り20元~時間が正確、安い、快適路線がないエリアもある
市内バスMRT駅から先の細かい移動15元~路線網が非常に細かい、格安時間が不正確、上級者向け
タクシー/Uber短距離、荷物が多い時、深夜85元~ドアツードアで快適、複数人なら割安渋滞のリスク、コスト高
台湾新幹線(HSR)西海岸の都市間高速移動700元~圧倒的に速い、時間を買える料金が高い、駅が郊外
台湾鉄道(TRA)台湾全土の移動、ローカル線の旅50元~旅情がある、安い、路線網が広い時間がかかる、特急は要予約
筆者

どうでしょう。それぞれの性格が、少し具体的に見えてきたのではないでしょうか。これらの駒をどう動かすかを考えるのが、旅の計画の醍醐味です。次のセクションでは、実際にこれらの交通機関に乗る上での、大切なルールについてお話ししますね。

これで安心!台湾の交通事情と基本ルール

これで安心!台湾の交通事情と基本ルール

さて、台湾で使う交通手段の全体像が見えてきたところで、次にお話ししたいのが現地の交通事情と、私たち旅行者が守るべき基本的なルールについてです。これを知っているかどうかで、旅のスムーズさ、そして現地の方々と気持ちよく接することができるかが大きく変わってきます。

かく言う私も、最初の頃は知らなかったが故にヒヤリとしたり、「あ、そういうことだったのか」と後から気づいて少し恥ずかしくなったりした経験が何度もあります。だからこそ、初めて台湾を旅する方には、私と同じような思いをしてほしくない。ここでは、あなたが現地で戸惑うことなく、スマートに振る舞うための「心の準備」をしてもらえればと思います。

最重要ルール:MRTの飲食禁止は「聖域」レベル

まず、これだけは絶対に覚えて帰ってください。台湾、特に台北のMRTは、その清潔さが世界的に見てもトップクラスです。そして、その清潔さを維持するために、非常に厳格なルールが存在します。それが、「改札の内側での一切の飲食禁止」です。

罰金あり!MRTでの飲食禁止ルール

対象:改札を入ってから出るまでの全エリア(ホーム、車内)
禁止事項:食事、飲み物、ガム、アメを含む全ての飲食行為
罰則:法律(大眾捷運法第50條)に基づき、NT$1,500(約6,900円)以上、NT$7,500以下の罰金が科せられます。

「なぜそんなに厳格なの?」と疑問に思うかもしれません。その理由は、高温多湿な台湾の気候にあります。少しでも食べ物のカスや飲みこぼしがあると、すぐに害虫が発生する原因になってしまうのです。このルールは、誰もが快適に利用できるクリーンな環境を、利用者全員で守っていこうという、台湾の人々の高い市民意識の表れでもあるのです。

私が初めて台北を訪れた夏の日、あまりの暑さに買ったばかりのペットボトルのお茶をホームで一口飲もうとした瞬間、隣にいたおばあさんに、優しいけれど真剣な眼差しで「ダメよ」と手で制されたことがあります。その時は驚きましたが、今ではあの時の注意に心から感謝しています。あの「危なかった…」という肝を冷やした経験が、私に現地の文化を尊重することの大切さを教えてくれました。

郷に入っては郷に従え:日本と違う3つの交通文化

飲食禁止ルール以外にも、私たちが「え、そうなの?」と感じるかもしれない、日本とは異なる交通文化がいくつか存在します。知っておけば、あなたの動きがぐっとスムーズになりますよ。

1. エスカレーターは「右立ち」が基本
日本では地域によって異なりますが、台湾では「エスカレーターの右側に立ち、左側は急いでいる人のために空ける」のが一般的です。台北のMRT駅などでは、皆が自然に右側に連なっていて、その光景はなかなかに壮観です。流れに逆らわないよう、意識しておくと良いでしょう。

2. バス料金の支払いは「電光掲示板」をチェック
前述の通り、台湾のバスは料金の支払いタイミングが「乗車時」「降車時」「両方」と複数パターンあり、旅行者にとっては少し厄介です。一番確実なのは、運転席の上にある電光掲示板を見ること。「上車收費」と表示されていれば乗る時に、「下車收費」なら降りる時に悠遊カードをタッチします。まぁ、正直なところ、心配な方は乗る時と降りる時の両方でタッチしておけば、まず間違いはありません。

3.「博愛座(優先席)」は空いていても座らない優しさ
MRTやバスにある濃い青色の座席、これが「博愛座(博愛席)」です。もちろん優先席なのですが、台湾でのこの席に対する意識は、日本のそれよりもさらに一歩進んでいる感じがします。たとえ席がガラガラに空いていても、若者や健常者は座らずに立っている光景を頻繁に目にします。これは、儒教の教えに基づく年長者への敬意が社会に深く根付いているから。お年寄りや妊婦さん、体の不自由な方がいつ乗ってきてもいいように、常に空けておくという無言の思いやりが、そこにあります。

歩行者として注意すべきこと:スクーターの海を渡る

最後に、交通機関のルールとは少し違いますが、街を歩く上での最重要注意点をお伝えします。それは、台湾名物ともいえる「スクーター(機車)」の圧倒的な交通量です。

横断時は「バイクが来ないか」を最優先に

信号が青に変わった瞬間、目の前を数十台のスクーターが一斉に走り出す光景は、初めて見る人にとっては衝撃的かもしれません。道を渡る際は、日本の感覚で「車は大丈夫だろう」と一歩踏み出すのではなく、常に左右から来るスクーターに最大限の注意を払ってください。信号無視や、右左折時に歩行者のすぐそばを通り過ぎていくことも日常茶飯事です。

これは決して大げさな話ではなく、安全に旅を楽しむための、経験者からの心からのアドバイスです。特に、道を渡る時や、路地から大通りに出る時は、一呼吸おいて周りを確認する癖をつけましょう。

筆者

いかがでしたでしょうか。少しルールが多くて大変に感じたかもしれません。しかし、これらの背景にある文化や人々への思いやりを理解すると、単なる規則ではなく、台湾という場所をより深く知るための一つのヒントに見えてきませんか。旅人である私たちは、「お邪魔させてもらっている」という敬意を忘れずに、このユニークな交通文化を楽しみたいものですね。できます。旅人である私たちは、「お邪魔させてもらっている」という気持ちを忘れたくないものですね。

桃園空港から市内へ!もう迷わないアクセス完全比較

桃園空港から市内へ!もう迷わないアクセス完全比較

長いフライトを終え、飛行機のドアが開いた瞬間の、あの独特の空気。いよいよ台湾に到着した高揚感と同時に、「さて、どうやって市内まで行こう…」という現実的な課題が、旅の最初の関門として立ちはだかります。特に、初めてこの地に降り立った方にとっては、ここでの選択が、旅全体の第一印象を左右すると言っても過言ではありません。

ここでつまずいて時間をロスしたり、余計なストレスを感じたりしては、せっかくの旅のスタートが台無しです。だからこそ、このセクションでは、私がこれまでに何度も利用し、比較検討してきた経験のすべてを注ぎ込み、あなたに絶対的な安心感と、自信に満ちた第一歩を踏み出してもらうための、具体的で詳細なガイドをお届けします。

筆者

結論から言いましょう。現在の桃園空港からのアクセスは、9割以上の旅行者にとって「空港MRT」が最適解です。しかし、残りの1割の状況に当てはまる可能性も考えて、それぞれの選択肢の「本当の実力」を、深掘りして見ていきましょう。

① 空港MRT:速さと快適さの「スマート・スタンダード」

2017年に開業したこの空港MRTは、桃園空港のアクセスを劇的に変えました。まさに、現代の台湾旅行における賢い旅人の標準装備と言える選択肢です。私が最近の旅でほぼ100%これを利用するのには、明確な理由があります。

知っておくべきは「紫色」の直達車(Express)

空港MRTには2種類の電車があります。各駅停車の「普通車(青いライン)」と、主要駅のみに停車する「直達車(紫のライン)」です。あなたが乗るべきは、間違いなくこの紫色の直達車。これに乗れば、第2ターミナルから台北駅まで、わずか36分で到着します。料金はどちらも同じ150元。間違えて普通車に乗っても着きますが、約50分かかりますので、必ず「Express」の表示を確認してください。

乗り場は、空港の案内に従って「MRT」の表示を追っていけば、ターミナル地下で迷うことなく見つけられます。車内は清潔で、スーツケース専用の置き場も完備。定刻通りに、渋滞の心配なく台北の中心部に運んでくれる安心感は、長旅の疲れを癒してくれます。

② リムジンバス:深夜便利用者と、特定ホテル宿泊者の「頼れる味方」

空港MRTが開通する前は、このリムジンバスが台北市内へのアクセスの主役でした。今でも、特定の状況下では非常に頼りになる存在です。

最大のメリットは、24時間運行していること。例えば、最大手の國光客運が運行する「1819番」バスは、深夜でも約1〜2時間間隔で運行しており、LCCなどの深夜便で到着した際には唯一の公共交通機関となります。また、台北市内の主要なホテルの近くや、MRT駅の真上にバス停があるため、宿泊場所によってはMRTより便利なケースもあります。

バス利用の注意点:時間的余裕を持つこと

料金はMRTよりわずかに安いですが、所要時間は交通状況に大きく左右されます。特に夕方のラッシュアワーに重なると、90分以上かかることも覚悟しておく必要があります。「時間を節約したい」という方には、正直おすすめできません。

③ タクシー:グループや家族旅行での「究極の快適オプション」

そして、最も快適で、最もストレスフリーな選択肢がタクシーです。料金は安くありませんが、その価値を理解して戦略的に使うことで、旅の質を劇的に向上させることができます。

空港の到着ロビーを出ると、客引きのような人が声をかけてくることがありますが、それらは無視して、必ず「計程車(Taxi)」と書かれた公式の乗り場から乗車してください。そこから乗れば、料金トラブルの心配はまずありません。台北市内までの料金は、高速道路代を含めておおよそ1,200元〜1,500元が目安です。

筆者

一見高く感じますが、3〜4人のグループで割れば、一人あたり300元〜500元。重いスーツケースを持ってバス停やMRT駅を探し回る手間と時間を考えれば、特に小さなお子様連れや、親御さんを連れての旅行では、これ以上ないほど優れた選択肢になります。

私自身、初めて台湾を訪れた時は、右も左もわからぬ不安から、迷わずタクシーを選びました。高速道路から台北市内のきらびやかな夜景が見えてきた時の、「ああ、本当に来たんだな」という静かな興奮と安心感。あの感覚は、今でも忘れられない旅の原風景です。あれは、単なる移動費ではなく、私の心の平穏と、旅への期待感に対する「投資」だったのだと、今ならはっきりと分かります。

まとめ:あなたに最適なアクセス方法は?

最後に、3つの選択肢をあなたの状況に合わせて選べるよう、改めて表にまとめました。

アクセス方法こんな人におすすめ所要時間(目安)料金(目安)特記事項
空港MRT(直達車)ほぼ全ての方、特に個人・カップル約36分150元速さ、安さ、快適さのバランスが最強。終電は23時台。
リムジンバス深夜便利用者、特定のホテル宿泊者60分~90分以上135元~145元24時間運行が最大のメリット。渋滞リスクあり。
タクシー3人以上のグループ、家族、荷物が多い方40分~60分1,200元~1,500元最も快適でストレスフリー。コストは高いが価値あり。

あなたのフライト時間、人数、荷物の量、そしてホテルの場所。これらの要素を、私がお伝えした3つの軸(時間・予算・体験)に照らし合わせ、あなたにとっての最適解を導き出してください。この最初の関門をスムーズに突破すれば、あなたの台湾旅行は、最高の形で幕を開けるはずです。

旅の必須アイテム!悠遊カードの買い方と使い方

旅の必須アイテム!悠遊カードの買い方と使い方

さて、台湾の交通機関をスムーズに乗りこなす上で、もし私が「たった一つだけ、絶対に持っていくべきアイテムは?」と聞かれたら、一秒も迷わずこう答えます。「悠遊カード(EasyCard)です」と。

これは単なる交通系ICカードではありません。日本のSuicaやICOCAのように便利なのはもちろんですが、台湾における悠遊カードは、旅行者の行動範囲と心理的な自由を何倍にも広げてくれる、まさに「旅のマスターキー」のような存在。これを持っているかどうかで、あなたの台湾旅行の快適度は、正直なところ天と地ほど変わります。

現金で切符を買うために券売機を探し、慣れない操作に戸惑い、後ろにできた列に焦る…。そんな、旅の貴重な時間をすり減らす小さなストレスから、あなたを完全に解放してくれるのです。ここでは、そんな魔法のカードの入手方法から、知っていると得する裏ワザまで、徹底的に解説します。

ステップ1:悠遊カードを手に入れる

まず最初のステップは、このカードを手に入れること。購入場所は主に3つあり、それぞれに少しだけ特徴があります。

  1. 空港やMRT駅の窓口【一番おすすめ】
    初めて台湾を訪れる方にとって、最も確実で安心なのがこの方法です。桃園空港に到着したら、案内に従ってMRT駅へ向かい、そこのサービスカウンター(服務中心)の窓口で購入しましょう。
  2. コンビニ(セブン-イレブン、ファミリーマート等)
    街中のコンビニでも手に入ります。ここで売られているのは、キャラクターものなどデザインが施されたカードが多いのが特徴。ただし、これらは「売り切り」タイプで、カード自体の代金100元は返金されないので注意が必要です。記念に持ち帰りたい方には良い選択肢ですね。
  3. MRT駅の自動券売機
    一部の自動券売機でも購入できますが、操作に慣れないうちは窓口の方がスムーズです。

【実践】窓口でこう言うだけ!簡単購入フレーズ

窓口でスタッフにこう伝えてみてください。一番簡単なのは、スマートフォンのメモ帳に書いて見せることです。

「我要買一張悠遊卡,儲值500元」
(wǒ yào mǎi yī zhāng yōuyóukǎ, chǔzhí wǔbǎi yuán / ウォー ヤオ マイ イー ジャン ヨウヨウカー、チュージー ウーバイ ユェン)

意味:「悠遊カードを1枚買って、500元チャージしてください」

これで、カード本体の代金100元とチャージ額500元の、合計600元を支払えばOK。チャージ額は300元など、自分の滞在に合わせて調整してくださいね。

ステップ2:チャージ(加値)する

残高が少なくなったら、MRT各駅にある自動チャージ機(加値機)か、コンビニのレジで簡単に入金できます。「チャージしてください」は中国語で「我要加値 (wǒ yào jiāzhí / ウォー ヤオ ジャージー)」。チャージ機は日本語表示に切り替え可能なので、全く心配いりません。

ステップ3:使いこなす!悠遊カードの真価

このカードの真価は、交通機関の利用だけに留まらない、その圧倒的な汎用性にあります。

  • 交通機関:MRT、市内バス、台湾鉄道(TRA)、YouBikeはもちろん、一部のタクシーでも利用可能。
  • コンビニ・スーパー:セブン-イレブン、ファミリーマートなど、ほぼ全てのコンビニで利用可能。財布から小銭を出す手間がありません。
  • 飲食店・ドリンクスタンド:マクドナルドやスターバックス、街中のドリンクスタンドなど、対応店舗が非常に多いです。
  • 観光施設など:台北市立動物園の入場料なども、ピッとかざすだけで支払えます。

私がこのカードの恩恵を最も感じたのは、やはりローカルなバスに乗った時でした。以前は「お釣りが出ないから小銭を…」と、乗る前から少し気構えていたのが、今では何も考えずに乗り込み、ピッとかざすだけ。この小さな変化が、街の隅々まで探索してみようという、私の冒険心をどれだけ後押ししてくれたか分かりません。

旅の達人が知っている2つの「隠れ機能」

さて、ここからは多くのガイドブックには載っていない、悠遊カードの便利な機能をご紹介します。これを知っていると、あなたはもう立派な台湾の旅の上級者です。

達人の豆知識①:各種割引が自動で適用される

前述の通り、台北MRTの運賃が自動的に2割引になるのは有名な話。それだけでなく、バスからMRTへ、あるいはMRTからバスへと指定時間内に乗り継ぐと、乗り継ぎ割引(8元)が適用されます。いちいち計算しなくても、カードが自動で最もお得な料金にしてくれるのです。

達人の豆知識②:残高不足でも1回だけ乗れる「デポジット機能」

これが、私が何度も助けられた、まさに「神機能」です。悠遊カードは、カード残高が足りなくても、60元までなら一度だけマイナス(立て替え)で改札を通ることができます。「あ、チャージし忘れた!でも、もう終電が行ってしまう…!」という絶体絶命の状況でも、この機能があれば大丈夫。次にチャージする際に、マイナス分が自動的に精算されます。この安心感は、計り知れません。

筆者

どうでしょう。悠遊カードが単なる便利なカードではなく、台湾の旅をスムーズに、そして心に余裕を持たせるための「必須装備」であることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。台湾に到着したら、何よりも先に、この頼れる相棒を手に入れてください。あなたの旅が、そこから劇的に変わるはずですから。

MRT(電車)の乗り方ガイド!券売機から改札まで

MRT(電車)の乗り方ガイド!券売機から改札まで

悠遊カードを手に入れれば、台湾のMRTは驚くほど簡単に利用できます。しかし、旅のスタイルによっては「一度しか乗らないから、現金で乗りたい」という場面もあるでしょう。あるいは、カードの残高が丁度切れてしまった、なんてことも。そんな時でも全く慌てる必要はありません。

ここでは、初めて台湾を旅する方が、一人でも自信を持ってMRTに乗れるようになることを目標に、現金で切符(トークン)を買う方法から、初心者が陥りがちな「困った!」の解決策まで、まさに手取り足取り解説していきます。かく言う私も、初めて券売機の前で青いコインが出てきた時は「え、これが切符なの?」と一瞬固まった経験がありますから。大丈夫、このセクションを読み終える頃には、あなたはもうMRTの達人です。

悠遊カードはタッチだけ!基本中の基本

前述の通り、悠遊カードを持っている場合の乗り方は、日本のSuicaなどと全く同じ。改札機にある丸いセンサー部分に「ピッ」とカードをかざすだけ。これで入場記録がされ、降りる駅の改札で再び「ピッ」とかざせば、移動距離に応じた運賃が自動的に精算されます。これ以上ないほどシンプルですね。

現金派のあなたへ:トークン購入の完全手順

さて、ここからが現金で乗車券、すなわち「ICトークン」を購入する手順です。一見難しそうに見えるかもしれませんが、順を追って操作すれば驚くほど簡単ですよ。

【実践】写真付きでイメージトレーニング!

(ここに券売機の操作パネルの写真があるイメージで読んでください)

  1. 言語選択:まず、券売機のタッチパネルの右上隅あたりにある「日本語」のボタンを探して押しましょう。これで全ての表示が日本語に切り替わり、一気にハードルが下がります。
  2. 路線図で目的地を選択:次に、画面に表示される路線図から、あなたが行きたい駅を直接タッチします。料金を調べる必要はありません。目的地をタッチすれば、機械が自動で料金を計算してくれます。
  3. 枚数を選択:画面に料金が表示されたら、購入する枚数(通常は「1張」=1枚)を選択します。
  4. 料金を投入:指定された金額を、硬貨または紙幣の投入口に入れます。
  5. トークンとお釣りを受け取る:投入が終わると、まずお釣りが返却され、その後に「カラン」という小気味良い音と共に、青いプラスチック製のコイン(ICトークン)が出てきます。これがあなたの乗車券です。なくさないように、しっかり握りしめてくださいね。

この「トークン」方式は、紙の切符と違って何度も繰り返し使えるため、非常にエコなシステムなのです。ちょっとしたゲームのコインのようで、旅の良い記念になるかもしれません(もちろん、改札で回収されますが!)。

改札の通り方から降車まで

トークンを手に入れたら、改札へ向かいましょう。入場から出場までの流れは悠遊カードとほとんど同じです。

入場時:改札機のセンサー部分に、悠遊カードと同じようにトークンを「ピッ」とタッチします。音が鳴り、ゲートが開いたら速やかに通過しましょう。

乗車時:ホームでは行き先の方向を間違えないよう、電光掲示板をしっかり確認します。台北MRTはホームドアが完備され、非常に安全。足元の乗車位置印に合わせてきちんと並んで待ちましょう。

降車時:目的の駅に着いたら改札を出ます。ここがトークンの唯一の違いです。改札機にコイン投入口のようなスリットがありますので、そこにトークンを投入します。するとトークンが回収され、ゲートが開く仕組みです。

初心者が陥りがちな「困った!」と、その解決策

どんなに準備しても、予期せぬトラブルは起こるもの。でも、大丈夫。ここでは、私が実際に見たり聞いたりした、初心者が陥りがちな3つの「困った!」とその解決策を伝授します。これさえ知っておけば、何も怖いことはありません。

ケース1:「1000元札しか持ってない!」

状況:券売機は、お釣り切れ防止のため、近距離の運賃(20~65元程度)の支払いに1000元札を受け付けない場合がほとんどです。
解決策:慌てず、駅にある「服務中心(サービスカウンター)」の窓口へ行きましょう。駅員さんに1000元札を見せながら「Change, please」と言うか、こう伝えてみてください。
魔法の言葉:「我要換錢 (wǒ yào huàn qián / ウォー ヤオ ファン チエン)」(両替してください)
これだけで、すぐに少額紙幣や硬貨に両替してくれます。

ケース2:「トークンを落として、なくしてしまった!」

状況:ポケットや財布から、あの小さな青いコインが消えてしまった!
解決策:パニックになる必要はありません。そのまま電車に乗り、降りる駅の「服務中心(サービスカウンター)」へ向かいましょう。駅員さんに「トークンをなくしました(I lost my token)」と正直に伝えれば大丈夫。通常は、その区間の最大運賃(台北MRTなら65元)を現金で支払うことで、改札から出してくれます。

ケース3:「乗り過ごしてしまった!」

状況:おしゃべりに夢中になり、目的の駅を通り過ぎてしまった!
解決策:これも全く問題ありません。慌てて反対側のホームには行かず、まずは一度改札を出る必要があります。購入したトークンの料金より高い駅で降りた場合も、「服務中心(サービスカウンター)」へ行けば、差額を精算してくれます。台湾の駅員さんは旅行者にとても親切なので、困ったら遠慮なく助けを求めましょう。

筆者

具体的なトラブルとその解決策を知っておくだけで、心の余裕が全く違ってきませんか? 台湾のMRTシステムは、旅行者が多少のミスをしても、きちんとフォローしてくれるように設計されています。だから、臆することなく、どんどん活用して、あなたの旅を快適なものにしてくださいね。


シーン別で探す!台湾旅行の移動手段 最適解プラン

シーン別で探す!台湾旅行の移動手段 最適解プラン

【台北市内】観光モデル別!移動手段の賢い組み合わせ

【台北市内】観光モデル別!移動手段の賢い組み合わせ

さて、ここからがこの記事の核心部分です。これまでに紹介した交通手段という「素材」と、「時間・予算・体験」という判断軸を使い、実際に台北市内を巡るための「具体的な処方箋」を、私なりのモデルプランとして3つ提案させてください。

特に、初めての台湾旅行で、行きたい場所はたくさんあるけれど、どういう順番で、どうやって回ればいいか分からない…と悩んでいる方にとっては、具体的なイメージを掴む絶好の機会になるはずです。もちろん、これはあくまで一つの「設計図」。あなたの興味や体力に合わせて、自由にパーツを組み替えて、あなただけの最高の旅を創り上げてください。

プランA:主要スポットを制覇!王道観光モデルルート

「まずは台北の顔とも言える場所をしっかり見ておきたい!」という方のための、効率と満足度を両立させた王道ルートです。私が初めての友人を案内するなら、間違いなくこの流れを提案します。

このプランの最適解:MRTを基軸に、スポット間の移動はタクシーで時間を買う戦略

時間目的地移動プラン詳細
午前 (9:00)中正紀念堂MRT淡水信義線/松山新店線「中正紀念堂」駅へ。朝の清々しい空気の中、巨大な建築と衛兵交代式を見学。(見学約1.5時間)
昼 (12:00)永康街でランチMRTで「中正紀念堂」駅から「東門」駅へ(1駅、約2分、運賃20元)。小籠包の有名店やマンゴーかき氷を堪能。
午後 (14:00)故宮博物院MRTで「東門」駅から「士林」駅へ(約15分、運賃25元)。ここから博物院まではバスかタクシー。断然タクシーがおすすめ(約10分、150元前後)。バス待ちの時間を節約し、膨大な展示品と向き合う体力を温存します。(見学約3時間)
夕方 (18:00)台北101故宮博物院からタクシーでMRT「士林」駅へ戻り、淡水信義線で「台北101/世貿」駅へ直通(約25分、運賃35元)。夕暮れから夜景に変わる絶景を展望台から楽しむ。
筆者

このプランの鍵は、故宮博物院へのアクセスでタクシーをためらわないことです。バスを待って乗る時間と労力は、思った以上に体力を消耗します。ここで使った数百円の投資が、午後の活動の質を大きく左右するのです。まさに「時間を買う」という考え方ですね。

プランB:感性を刺激する。街歩きと雑貨・カフェ巡りの日

古い問屋街のレトロな雰囲気と、おしゃれなリノベーションカフェが融合する「迪化街」。そして、美食とハイセンスな雑貨店がひしめく「永康街」。この二つのエリアを、ただ歩くだけでなく、街の空気に溶け込むように楽しむためのプランです。

このプランの最適解:MRTでエリア間を移動し、エリア内はYouBikeで風を感じながら散策

まず午前中はMRT松山新店線「北門」駅で降り、台北の歴史が息づく迪化街へ。ここでは、漢方薬や乾物の匂いが漂う伝統的なお店を眺めながら、気になる路地裏に迷い込むのが楽しい。そして、ここでの移動にぜひ使ってみてほしいのがYouBikeです。

最寄りのステーションでYouBikeを借りて、少し足を延ばして川沿いのサイクリングロードを走ってみるのはいかがでしょう。地元の人々が犬の散歩をしたり、運動をしたりする日常の風景に触れることができます。これは、ただの観光では味わえない、特別な体験になりますよ。

午後は、MRTで「北門」駅から「東門」駅へ移動し、洗練された雰囲気の永康街へ。ここでも、小さなエリアに魅力的なお店が密集しているので、YouBikeで回るのが非常に効率的です。有名なかき氷店の行列を横目に、自分だけのお気に入りの茶藝館や雑貨店を見つける。そんな気ままな時間を過ごすのに、これほど最適な相棒はありません。

プランC:胃袋の限界に挑戦!エネルギッシュな夜市ナイト

台湾の夜のハイライトといえば、やはり夜市です。あの熱気、人々の活気、そして食欲をそそる匂い…。五感の全てで楽しむ夜市の魅力を最大限に味わうための、私なりの鉄則があります。

このプランの最適解:行きはMRTで体力を温存し、帰りはタクシーで快適さを確保する

例えば、観光客に最も有名な「士林夜市」(MRT「劍潭」駅)や、地元民にも愛される食の宝庫「饒河街夜市」(MRT「松山」駅)へ向かうとしましょう。夕方のラッシュが終わった頃、MRTに乗れば、渋滞知らずで夜市の最寄り駅まで快適にアクセスできます。

そして、夜市でB級グルメを心ゆくまで堪能し、お土産を両手いっぱいに抱え、歩き疲れて足はもうパンパン…。この状態で、再び混雑するMRT駅まで歩き、電車に乗って帰るのは、想像するだけでどっと疲れませんか?

夜市の後の「帰り道問題」

旅の満足度は、最後の瞬間の感情に大きく左右されます。夜市の楽しかった思い出を、帰り道の疲労で上書きしてしまっては、あまりにもったいない。だからこそ、「帰りはタクシー」とあらかじめ決めておくのです。台北市内の中心部までなら、料金はおおよそ200~300元ほど。友人やパートナーと割れば、一人あたり数百円。この小さな出費が、あなたの旅の思い出を、最高の形で締めくくってくれるのです。これは、私が何度も実践してきた、旅の満足度を高めるための、最も効果的な投資の一つです。

筆者

いかがでしたか。これらのプランを参考に、「私の旅なら、プランAの午後にプランBの永康街を組み合わせようかな」といった形で、ぜひあなただけの最高の台北での一日を「編集」してみてください。

【台北郊外】九份への行き方おすすめ4選を徹底比較

【台北郊外】九份への行き方おすすめ4選を徹底比較

Instagramや旅行Vlogで、あの幻想的な赤い提灯が連なる坂道の風景を見て、「台湾に行ったら絶対に九份へ行きたい!」と思っている方は、本当に多いのではないでしょうか。かく言う私も、そのノスタルジックな魅力に惹かれて何度も足を運んでいます。しかし、この九份、台北市内から少し距離があり、アクセス方法が複数あるが故に、多くの初心者が「一体どの方法で行くのが一番いいの?」と頭を悩ませる、旅の計画における最難関の一つでもあるのです。

バスに長時間揺られるのか、電車とバスを乗り継ぐのか、それとも…?ここで選択を誤ると、移動だけで疲弊してしまい、せっかくの九份散策を心から楽しめなくなってしまうことさえあります。

だからこそ、このセクションでは、私がこれまで試してきた全ての経験と、正直な失敗談を基に、あなたにとっての「最適解」を導き出すための、現時点で最も信頼できる決定版ガイドをお届けします。これを読めば、もう九份への行き方で迷うことはありません。

選択肢①:安さと手軽さ最優先なら「直通バス」

台北市内から乗り換えなしで九份まで行けるバスは、最も手軽で安価な選択肢です。主に2つの路線があり、出発地によって使い分けるのが良いでしょう。

■ 路線バス1062番(出発地:MRT忠孝復興駅)
昔からの定番ルートです。MRT忠孝復興駅の2番出口を出てすぐ、SOGO復興館前のバス停から乗車します。運賃は約102元、所要時間は渋滞がなければ約90分。ただし、座席は早い者勝ちで、週末は長蛇の列ができることも。また、一般道を走る時間が長いため、乗り物酔いが心配な方には少し厳しいかもしれません。

■ 高速バス965番(出発地:MRT西門駅・北門駅など)
比較的新しい路線で、個人的にはバスならこちらを断然おすすめします。観光客が多く利用する西門町エリアから乗車でき、高速道路を経由するため、所要時間は約60分~80分と少し速く、乗り心地も快適です。運賃は90元。座席定員制なので、満席の場合は次のバスを待つことになりますが、一度乗れれば必ず座れる安心感があります。

選択肢②:安定感と旅情を両立するなら「電車+バス/タクシー」

「バスの渋滞や長時間の乗車は避けたい…」という方に、私が最もバランスが良いと感じているのがこの方法です。

ステップ1:台湾鉄道(TRA)で「瑞芳」駅へ
まず、台北駅(台北車站)から台湾鉄道(TRA)に乗り、九份の玄関口である「瑞芳」駅を目指します。特急にあたる自強號や莒光號なら約40分~50分、料金は59元~76元です。台北市内の道路渋滞を完全に回避できる、この時間の正確さが最大のメリットです。

ステップ2:「瑞芳」駅から九份へ
瑞芳駅に着いたら、駅前のバス停から九份行きのバス(788番、827番など多数)に乗り換えます。ここから九份までは約15分、運賃は15元。あるいは、駅前には客待ちのタクシーもたくさんいます。九份までのタクシー料金は公定価格で205元と決まっているので、ぼったくりの心配もありません。友達と2〜3人で割れば、バスを待つよりずっと快適です。

選択肢③:快適さと自由度を追求するなら「タクシー・チャーター」

時間、体力、精神的なストレス、その全てを最小限に抑えたい。そんな方にとっての最適解がタクシーです。

■ 片道タクシー
台北市内のホテルから九份まで直接向かう場合、料金の目安はおおよそ1,200元です。4人で乗れば一人300元。バスの約3倍ですが、約50分でホテルの目の前から九份の入口まで、ドアツードアで移動できる快適さは何物にも代えがたいものがあります。

■ 時間貸しチャーター
「せっかくだから、九份だけでなく十分での天燈上げも体験したい!」という方には、このチャーターが断然おすすめです。運転手さん付きの車を4時間や8時間といった単位で貸し切るサービスで、料金は4時間で約3,500元~4,000元が相場。荷物を車に置いたまま手ぶらで観光でき、移動もすべてお任せ。特に家族旅行やグループ旅行では、結果的に最もコストパフォーマンスが高い選択肢になることもあります。

【結論】私の失敗から学ぶ、九份アクセスの最適戦略

ここまで各選択肢を解説してきましたが、ここで私の大失敗談をお話しさせてください。初めて九份を訪れた時、私は路線バスで行きました。夕暮れ時、提灯に灯りがともる幻想的な風景に心を奪われ、夢中で写真を撮りました。そして、満足して帰ろうとした時、悪夢は始まったのです。

私の失敗談:九份からの「帰れない」恐怖

台北へ戻るバス停は、私と同じように絶景を堪能した人々で、文字通り黒山の人だかりでした。やっと来たバスは目の前で満員になり、乗車拒否。次のバスも、その次のバスも…。結局、肌寒い山道で1時間以上立ち往生し、ようやく乗れたバスもぎゅうぎゅう詰めの状態。あの時の疲労感と焦りは、楽しかった思い出を上書きしかねないほど強烈なものでした。

この痛い経験から、私が導き出した結論は以下の通りです。

QA編集者が推奨する九份への最適解

  1. ベストバランスを求めるなら:「行きは電車+バス/タクシー、帰りはタクシー」
    行きは渋滞を避けて瑞芳駅まで行き、そこからサクッと九份へ。そして、最も混雑する帰りは、九份のセブン-イレブン前から乗れるタクシーで台北まで帰る。これが、コストと快適さ、時間のバランスが最も取れた、私の考える最強のプランです。
  2. 快適さを最優先するなら(特に3人以上):「往復タクシー・チャーター」
    予算が許すなら、これが最もストレスフリーなのは間違いありません。特に、親御さんや小さなお子様連れの旅行では、迷わずこの選択肢をおすすめします。
筆者

もちろん、安さを最優先して往復バスを選ぶのも一つの立派な旅のスタイルです。ただ、もしあなたが「スムーズさ」を少しでも重視するなら、特に「帰り道」の移動手段だけは、慎重に検討してみてください。その小さな判断が、あなたの旅の思い出を、きっと何倍も輝かせてくれるはずですから。

【都市間】台湾新幹線vs在来線!どっちに乗るべき?

【都市間】台湾新幹線vs在来線!どっちに乗るべき?

台北の街にも慣れ、旅に少し自信がついてくると、ふとこんな欲が湧いてきませんか?「もっと遠くへ、違う街へも行ってみたい」。例えば、歴史の香る古都・台南へ、あるいは活気あふれる港町・高雄へ。その瞬間、あなたの台湾旅行は次のステージへと進み、同時に、全ての旅人が直面する、ある重大な選択を迫られることになります。

それが、台湾の西海岸を縦断する二大鉄道、台湾新幹線(HSR)台湾鉄道(TRA)、どちらの列車に乗るか、という問題です。これは、単に「速いか、安いか」という表面的な比較で結論が出るほど、単純な話ではありません。どちらの切符を手にするかで、その日の旅程、ひいては旅全体の体験価値が根底から変わってしまう、これはあなたの「旅の哲学」が問われる選択なのです。

筆者

かく言う私も、旅の目的、予算、そしてその日の気分によって、今でも真剣に頭を悩ませます。言ってしまえば、これは「時間を買う」か「時間を味わう」かの選択。あなたの旅は、どちらの物語を紡ぎたいですか?一緒に、その答えを見つけていきましょう。

まずはデータで徹底比較!スペックで見るHSRとTRAの違い

何はともあれ、まずは客観的な事実、つまり数字を見て、両者の基本的な性格を把握することが重要です。ここでは、多くの旅行者が目的地とするであろう「台北→台南」間を例に、具体的なデータを比較してみましょう。

比較項目台湾新幹線(HSR/高鐵)台湾鉄道(TRA/台鐵・自強號)
所要時間約1時間45分~2時間約4時間~4時間30分
料金(普通席)1,350元738元
駅の立地多くの都市で市街地から離れているほぼ全ての都市で中心部
予約のしやすさオンラインで容易(28日前からの早割あり)人気列車は週末を中心に予約困難な場合も
体験価値近代的、ビジネスライク、圧倒的なスピード感旅情、移り変わる車窓、名物の駅弁文化

この表を見るだけでも、両者のキャラクターは明確です。HSRはTRAの半分以下の時間で到着しますが、料金は約1.8倍。まさに「時は金なり」を体現した、効率を最大化するためのツールです。対してTRAは、料金の安さはもちろん、駅が街の中心にあるという、旅行者にとって計り知れないアドバンテージを握っています。

スペック表だけでは見えない「旅のリアル」と「隠れたコスト」

さて、ここからが本題です。この数字の裏側に隠された、計画を左右するほど重要な「現実」について、私の経験を交えて正直にお話しします。

■最大の落とし穴は「HSR駅の立地」問題
私がこれまで多くの旅人の相談に乗る中で、最も多くの人が見落としがちなのが、この点です。HSRの駅は、高速で走行する線路を敷設する土地確保の都合上、多くの都市で中心市街地からかなり離れた郊外に建設されています。例えば、HSR台南駅は、観光の中心地である台南駅(TRAの駅)まで、在来線(台鐵沙崙線)に乗り換えて約25分、さらに待ち時間も発生します。

注意:移動の「総時間」と「総コスト」で考えよう

つまり、HSRの乗車時間「約1時間50分」に、この乗り換え時間とコスト(25元)が加わるため、実質的な移動時間は2時間半近くになるのです。もちろん、それでもTRAよりは圧倒的に速い。速いのですが、単純な乗車時間だけで計画を立てると、「あれ、こんなはずじゃ…」という時間的、精神的なロスを生む可能性があるのです。

■「予約」という名の心理戦と、旅の上級者向け戦略
HSRは日本の新幹線のぞみのように便数が多く、公式アプリやウェブサイトから簡単に予約できます。特に、乗車日の最大28日前から購入できる「早割(早鳥票)」をうまく利用すれば、料金を最大35%(65折)まで抑えることも可能。これは、計画的に旅をする人にとって非常に大きなメリットです。(参照:台湾高速鉄道公式サイト

筆者

早割を狙うのも一つの手ですが、正直なところ「発売日に張り付いて予約するのはちょっと面倒…」と感じる方もいますよね。実は、私たち外国人旅行者だけが利用できる、もっと自由でお得な切符があるんです。それが、新幹線が乗り放題になる「高鐵周遊券(乗り放題パス)」です。

【裏技】外国人限定!高鐵周遊券(乗り放題パス)という選択肢

「台湾高鐵3日間パス」など、決められた期間内なら新幹線が乗り放題になる、外国人旅行者限定のお得なパスがあります。これさえあれば、早割を気にすることなく、その日の気分で乗りたい新幹線に自由に乗ることが可能に。特に、2つ以上の都市を周遊する計画なら、個別に切符を買うより断然お得になるケースが多いです。

このパスは台湾の駅では購入できず、事前にオンラインで予約する必要があります。下のサイトで料金シミュレーションもできるので、あなたの旅程に合うか一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

KKdayで高鐵周遊券の料金と詳細をチェックする

※周遊券を使ったモデルルートは、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 内部リンク:台湾新幹線乗り放題パスは本当にお得?3日間周遊モデルルートで徹底検証!

一方のTRA。特に、台湾の美しい東海岸を走る特急「普悠瑪(プユマ)号」や「太魯閣(タロコ)号」は、その景色の良さから観光客だけでなく地元の方にも絶大な人気を誇り、週末や連休のチケットは、発売開始(乗車日の28日前)と同時に瞬殺されることも珍しくありません。(参照:台湾鉄路管理局公式サイト

筆者

まぁ、正直なところ、この予約のドキドキ感も旅の醍醐味と楽しめる、台湾を一周するような旅慣れた方なら挑戦する価値はあります。しかし、スムーズさを重視するなら、TRAの特急は早めの計画が必須、と覚えておいてください。

【結論】あなたの旅の脚本に最適なのは、どちらの列車か?

では、これらの情報を全て踏まえた上で、どのような旅のスタイルにどちらが向いているのか。私なりの「処方箋」を提案させてください。

こんな旅の脚本なら「台湾新幹線(HSR)」

  • 週末+有給1日のような弾丸旅行で、とにかく滞在時間を最大化したい。
  • 台北を拠点に、台中(宮原眼科や彩虹眷村など)へ日帰りで訪れたい。
  • 移動中の快適性を何よりも重視し、体力を温存したい(特に家族旅行など)。

私も、例えば「台中の友人に会いに行く」「高雄で特定の展示会を見る」といった、目的地での活動が明確な場合は、迷わずHSRを選びます。これは、移動を「目的を達成するための手段」と割り切る、最も合理的な選択です。

こんな旅の脚本なら「台湾鉄道(TRA)」

  • 時間に縛られず、車窓から見える台湾の日常風景をのんびり楽しみたい。
  • 移動コストを抑え、その分を夜市の食べ歩きや、上質な台湾茶の購入に充てたい。
  • 排骨飯が絶品の「台鐵便當(駅弁)」を頬張りながら、列車に揺られるという体験そのものを味わいたい。

逆に、特に厳密な計画を立てず、気の向くままに台湾を南下するような一人旅なら、私は迷わずTRAの窓側席を予約します。ガタンゴトンという規則的なリズム、車内販売のおばちゃんの声、そして窓の外に広がる緑豊かな田園風景。日々の喧騒から解放されるあの時間は、目的地に到着すること以上に、価値のある体験だと今でも感じます。

最終的にどちらを選ぶかは、あなたの旅の脚本家である、あなた自身です。速さをとるか、風情をとるか。ぜひ、ご自身の「旅の設計図」と向き合い、最高の選択をしてください。その悩む時間もまた、あなたの旅を豊かにする、かけがえのない一部なのですから。すから。

タクシー配車アプリ(Uber等)の賢い活用術

タクシー配車アプリ(Uber等)の賢い活用術

台湾のタクシーは安くて便利な反面、初めて台湾を旅する方にとっては、いくつかの心理的なハードルが存在するのも事実です。「行き先を中国語でどう伝えたらいいんだろう…」「メーターがちゃんと動いているか心配…」「遠回りされていないかな…」。そんな、言葉と土地勘の不安から、タクシーの利用をためらってしまう方も少なくないのではないでしょうか。

断言します。その不安は、スマートフォン一つで、今日から完全に解消できます。それを可能にするのが、Uberに代表されるタクシー配車アプリです。私がこれらのアプリを使い始めてから、台湾での移動における精神的ストレスは、誇張抜きでゼロになりました。これは単なる「便利なツール」の紹介ではありません。あなたの旅の自由度を飛躍的に高める、最強の「裏技」の伝授です。

旅の前に、日本で済ませるべき「必須準備」

この裏技を使いこなす上で、最も重要なことがあります。それは、全ての準備を日本出発前に済ませておくこと。現地に到着してから慌てて設定しようとすると、思わぬトラブルに時間を奪われかねません。私の友人にも、現地で設定しようとしてSMS認証がうまくいかず、結局使えなかったという苦い経験をした人がいます。

【最重要】日本国内での3ステップ設定

  1. アプリをダウンロードする
    まずは「Uber」や、後述する「台灣大車隊 55688」のアプリを、ご自身のスマートフォンにダウンロードしておきましょう。
  2. アカウントを登録する
    電話番号やメールアドレスを使って、アカウントを作成します。この時、SMS(ショートメッセージ)での認証が必要になることがほとんどです。
  3. クレジットカード情報を登録する
    これが最も重要なステップです。アプリにクレジットカード情報を登録し、キャッシュレス決済の設定を完了させておきます。これにより、現地で現金のやり取りをする必要が一切なくなります。

この3ステップを、Wi-Fi環境が安定している日本国内で、時間に余裕をもって済ませておくこと。これが、達人の第一歩です。

【実践編】達人が教える!アプリ利用3つのコツ

さて、準備が整ったところで、実際に現地でアプリを使いこなすための、私なりの「賢い活用術」を3つご紹介します。

コツ①:迎車地点は「ピン」でなく「建物」で指定する
アプリでは地図上のピンで迎車地点を指定できますが、道路の真ん中などを指定すると、運転手さんがあなたを見つけられないことがあります。確実なのは、コンビニや銀行、ホテルの入口など、誰が見ても分かる具体的なランドマークをピンの場所に設定することです。これにより、落ち合う際のすれ違いを劇的に減らせます。

コツ②:伝わらない時は「メッセージ機能」を使え
夜市や駅前など、人が多くてお互いを見つけにくい場面。そんな時は、アプリに内蔵されているメッセージ機能を活用しましょう。翻訳機能も付いていることが多いですが、以下のような簡単な定型文を送るだけでも、運転手さんへの大きな助けになります。

コピペで使える!簡単中国語メッセージ

  • 我在7-11前面 (wǒ zài 7-11 qiánmiàn / 私はセブンイレブンの前にいます)
  • 我穿著黑色的衣服 (wǒ chuānzhe hēisè de yīfú / 私は黒い服を着ています)

コツ③:乗車前には必ず「ナンバープレート」を確認
アプリで手配が完了すると、迎えに来る車のナンバーが表示されます。これは、安全のための非常に重要な情報です。車が到着したら、乗車する前に、必ずアプリの表示と実際のナンバープレートが一致しているかを確認する癖をつけましょう。これにより、人違いやトラブルを未然に防ぐことができます。

Uber vs 台灣大車隊55688 どっちがいい?

では、具体的にどのアプリを使えばいいのか。台湾で主に使われる2大アプリの性格の違いを、正直にお伝えします。

アプリUber台灣大車隊 55688
メリット・日本と同じUIで使い慣れている
・日本の電話番号のまま利用可能
台湾最大手で車両台数が圧倒的に多い
・地方都市でも捕まえやすい
・クーポン等の割引が多い
デメリット・時間帯により料金が変動(サージ)
・地方では車が少ない場合がある
・基本的に台湾の電話番号での登録推奨
・UIが少しローカル向け
おすすめな人初めて利用する方、台北市内の短期滞在者台湾リピーター、地方都市へも行く方
筆者

結論として、海外旅行に不慣れな方や、滞在が台北市内中心であれば、まずは使い慣れた「Uber」を準備しておけば十分でしょう。一方で、よりディープな台湾旅を計画しているなら、空港で台湾のSIMカードを手に入れ、「55688」を登録しておくと、いざという時に本当に頼りになりますよ。

これらのアプリは、もはや単なる移動手段ではありません。それは、あなたの「言葉の壁」という不安を取り払い、行きたい場所にいつでも行けるという「自信」を与えてくれる、最強の旅のパートナーなのです。す。もし台湾の電話番号があれば、現地最大手の「台灣大車隊 55688」もおすすめです。どちらか一つをスマートフォンにインストールしておけば、台湾での移動が劇的に楽になりますよ。

ローカル気分を味わう!YouBikeの楽しみ方

ローカル気分を味わう!YouBikeの楽しみ方

もしあなたが、ガイドブックに載っている有名観光地を巡るだけの旅に、何か物足りなさを感じ始めているなら。あるいは、「もっと現地の人のように、この街を肌で感じてみたい」という密かな冒険心が芽生えているなら。そんなあなたに、私が心からおすすめしたいのが、シェアサイクル「YouBike」の活用です。

MRTやバスの車窓からでは一瞬で通り過ぎてしまう、何気ない街の風景。路地裏の食堂からふわりと漂う、八角や胡椒餅の食欲をそそる匂い。公園で談笑するお年寄りや、学校帰りの子供たちの活気ある声。YouBikeは、そんなガイドブックには載らない「台湾の素顔」に触れるための、最高のツールだと私は思っています。それは、移動手段というよりも、むしろ一つの魅力的なアクティビティなのです。

【最重要】旅行者がYouBikeを利用するための「鍵」

「でも、登録が難しそう…」特に、多くのサイトで「台湾の電話番号が必要」と書かれているのを見て、短期旅行者の自分には無理だと諦めてしまっている方も多いのではないでしょうか。かく言う私も、最初はそれが大きな壁でした。

しかし、結論から言います。旅行者でも、全く問題なくYouBikeは利用できます。そのために必要な、たった一つの「鍵」が存在するのです。

鍵は「空港でのプリペイドSIMカード購入」にあり!

YouBikeの登録には、SMS認証のために台湾で使える電話番号が必須です。これをクリアする最も簡単で確実な方法が、桃園空港に到着した際に、到着ロビーにある通信会社のカウンターで旅行者向けのプリペイドSIMカードを購入することです。
データ通信(5日間使い放題など)に加えて、少額の通話料も含まれたプランを選べばOK。相場はプランによりますが、5日間で500元(約2,300円)程度です。これはYouBikeのためだけでなく、Googleマップの利用や、お店の情報をその場で調べるなど、旅全体の快適度を飛躍的に向上させる、最高の自己投資になります。

【台湾旅行のネット接続】日本での事前準備が断然スムーズ!
私の経験上、現地でのSIM購入は意外と時間がかかることも。以下のサービスなら、日本で予約・設定を済ませておけるので、現地でのストレスがありません。

>>グループ旅行に最適 台湾専用WiFiルーター
>>eSIMならJAPAN&GLOBAL eSIM

簡単3ステップ!YouBike2.0の登録と利用方法

台湾の電話番号さえ手に入れれば、あとの手順は驚くほど簡単です。現在、台北市内で主流となっているのは、車体が黄色と白色の「YouBike2.0」ですので、このモデルを基準に解説します。

ステップ1:公式アプリでアカウント登録
まずは日本にいる間に、スマートフォンのアプリストアで「YouBike 2.0」の公式アプリをダウンロードしておきましょう。そして、台湾のSIMカードをセットしたら、アプリを起動し、案内に従ってあなたの台湾の電話番号と、お手持ちの悠遊カードの番号を紐付けます。これで基本登録は完了です。

ステップ2:自転車を借りる
街中のステーション(YouBike2.0はドックが白いのが特徴)で、借りたい自転車のサドルの下にある操作パネル(スマートコントロールパネル)の緑のボタンを押し、「嗶卡租車(カードでレンタル)」を選択。パネルのセンサー部分に、登録したあなたの悠遊カードをかざします。電子音が鳴り、ロックが解除されたら、自転車を引き出せます。

ステップ3:自転車を返す
返す時はもっと簡単。ステーションの空いているドックに、自転車を「カチッ」と音がするまでしっかりと差し込むだけ。操作パネルのセンサーに再度悠遊カードをかざせば、利用料金が自動的に精算され、返却完了です。

驚くほど安い!YouBikeの利用料金

YouBikeの料金は、最初の4時間までは30分ごとに10元。それ以降は料金が変わりますが、ちょっとした街歩きに使うなら、1時間利用してもたったの20元(約92円)。缶ジュース1本分ほどの値段で、忘れられない体験ができるのです。

私のおすすめYouBike散策コース:大安森林公園

「どこを走ればいいか分からない」という方のために、私が特におすすめしたいのが、「台北のセントラルパーク」とも呼ばれる大安森林公園です。MRT「大安森林公園」駅のすぐそばにステーションがあります。

園内に張り巡らされたサイクリングロードをゆっくりと走れば、木々の間を抜ける風が心地よく、都会の喧騒が嘘のよう。太極拳をする人々、楽器を練習する学生、ピクニックを楽しむ家族連れ…。そこには、観光地ではない、台北の穏やかな日常が流れています。園内のベンチに腰掛けて、近くのドリンクスタンドで買ったパッションフルーツティーを飲む。そんな何気ない時間が、きっとあなたの旅を、よりパーソナルで、忘れられないものにしてくれるはずです。

安全第一!台湾の交通ルール

前述の通り、台湾はスクーターが非常に多い社会です。車道を走る際は、後方から来る無数のスクーターに常に気を配ってください。また、歩道を走ることは原則禁止されていませんが、必ず歩行者を最優先し、スピードは落としましょう。

筆者

少しの準備さえすれば、あなたも台湾の街を自由に駆け抜けることができます。移動手段としてだけでなく、旅の「解像度」をグッと上げてくれるアクティビティとして、YouBikeをあなたの旅の計画に加えてみてはいかがでしょうか。きっと、想像以上の発見があなたを待っていますよ。

台湾旅行の移動手段を知り、あなただけの旅を創ろう

台湾旅行の移動手段を知り、あなただけの旅を創ろう

ここまで、台湾の様々な移動手段について、私の経験を交えながらお話ししてきました。最後に、この記事の要点をまとめておきましょう。

  • 台湾旅行の移動手段選びは「時間・予算・体験」のバランスが重要
  • 台北市内の移動はMRTが基本だが、タクシーやバスとの組み合わせが賢い
  • 悠遊カードは台湾旅行の必須アイテム、購入とチャージは簡単
  • MRTの駅構内と車内ではガムやアメを含む飲食が厳禁
  • 桃園空港から台北市内へのアクセスは速くて安い空港MRTがおすすめ
  • 人気観光地の九份へは複数のアクセス方法があり、帰りの手段が重要
  • 長距離移動は速さの新幹線(HSR)か、旅情の在来線(TRA)か目的で選ぶ
  • タクシー配車アプリは言葉の不安や料金の心配を解消してくれる
  • YouBikeを使えばローカルな台湾の日常に触れる体験ができる
  • MRTには博愛座という優先席があり、空いていても座らないのがマナー
  • バスは路線が複雑だが、使いこなせれば行動範囲が大きく広がる
  • タクシーは日本より安価で、複数人ならコストパフォーマンスが高い
  • 台湾鉄道の駅弁「台鐵便當」は移動中の楽しみの一つ
  • 各交通手段のメリット・デメリットを理解し、自分だけの最適プランを立てよう
  • 移動そのものを楽しむ視点を持つことで、旅はより豊かなものになる

情報が溢れる中で、どれが自分にとっての正解か分からなくなることもあるでしょう。しかし、大切なのは、誰かの真似をするのではなく、あなたが「何を大切にしたいか」を基準に、自分だけの旅を編集していくことです。この記事が、そのためのささやかなヒントになれば、これ以上嬉しいことはありません。さあ、最高の台湾旅行を創り上げてください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次